Rigol のデジタルオシロスコープ DHO804 には、USBメモリだけでなく SMB(Windows共有やNAS)経由でファイル保存ができる機能があります。ただし、設定にはいくつかの注意点があり、特に SMB1.0 に関する知識が必要です。
本記事では、Windows 11やNASを使ってDHO804からSMB接続する方法を、具体的な設定手順とともに紹介します。
❗ Wi-Fi接続ではSMBが使えない?
DHO804 を Wi-Fi経由で接続している場合、[Utility] 内の[IO]Network statusに「DISCONNECTED」と表示されています。それが原因か分かりませんが、SMBのマウントに失敗します。
Wi-Fi経由では内部的にSMBが無効または適切に動作しない可能性が高いため、有線LANでの接続を推奨されているようです。
✅ Windows 11での準備:SMB1.0を有効にする
DHO804は SMB1.0 のみをサポートしていますが、Windows 11では初期状態で無効になっているため、以下の手順で有効にします。
① 「Windowsの機能」を開く
Win + S
→ 「Windowsの機能の有効化または無効化」を検索・起動
② 「SMB 1.0/CIFS ファイル共有のサポート」にチェック
- 「SMB 1.0/CIFS クライアント」のみでOK
- 設定後、PCを再起動
⚠ SMB1.0はセキュリティ上の懸念があるため、必要なときだけ有効にするのが望ましいです。
📂 SMB共有の準備(Windows共有フォルダ編)
① 共有フォルダを作成
例: C:\RigolShare
② 共有設定とアクセス権
- フォルダを右クリック → プロパティ → [共有]タブ
- 「Everyone」やローカルユーザーを追加し、「読み取り/書き込み」を許可
③ 専用ユーザーを作成する場合
設定 > アカウント > ローカルアカウント
からユーザーを作成- DHO804にはこのユーザー名とパスワードを入力する
⚠ Windows共有の場合、PCが起動していないとアクセスできないという欠点があります。
🗄 NASでの接続も可能(Synology等)
家庭用NASの多くもSMB共有に対応しており、DHO804からのマウントが可能です。
ただし以下の点に注意:
🔑 SMB設定の注意点(NASの場合)
- 多くのNASは初期設定で SMB1.0が無効化 されています
- SMB1.0を有効に設定し、Rigolが対応できるプロトコルで動作するように変更
- NAS側でDHO804専用のSMBユーザーを作成し、共有フォルダへのアクセスを許可する
✅ NASの利点:WindowsのようにPCを起動しておく必要がなく、専用アカウントでセキュアに運用可能。
🛠 DHO804側の設定手順
- [Storage] → [SMB Setting] を選択
- Server Pathに
//192.168.xx.xx/共有名
を入力 - ユーザー名とパスワードを入力(NASやPCで設定したもの)
- [Connect] で接続を確認し、Connect State が[Connect] で設定完了
🔐 セキュリティ面の補足
DHO804のSMB設定画面では、パスワードが平文で表示されるため、以下の対策がおすすめです:
- SMB接続専用のアカウントを作成し、最小権限で運用
- 重要な個人アカウント情報を使わない
- 使用後は共有設定をオフにする、またはアカウントを無効化する
🧪 よくあるトラブルと解決策
症状 | 原因と対策 |
---|---|
接続に失敗する | SMB1.0が有効になっていない |
認証エラーになる | ユーザー名やパスワードの誤り、共有設定不足 |
Wi-FiでSMBにつながらない | SMB機能は有線LAN専用と考えるべき |
NASでつながらない | SMB1.0がNAS側で無効化されている可能性あり |
🔚 まとめ
- DHO804はSMB1.0のみ対応。WindowsやNASの設定が重要。
- Wi-FiではSMBが使えない可能性が高いため、有線LANでの接続推奨
- Windows共有よりも、専用ユーザーを使ったNAS接続がセキュアで便利
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